本記事の内容
昨今、女性だけでなく、働く男性についても育児休業を積極的に取得できるような気運が高まっています。
とはいえそんなに一気に広まってはいなくて、「まずは公務員から徐々に広げていこう!」というのが今の流れですね。
育児休業を取ろうと思っている地方公務員で、下記の悩みで育休の踏ん切りがつかない方も多いかもしれません。
・育休をとっている間の生活費は大丈夫だろうか… ・どのくらいの期間、育休をとってもいいんだろう? ・育休に入る時、どんな手続きが必要なの? ・長期で育休をとったら職場に迷惑かからないかな…
これらの不安について、地方公務員夫婦で育児休業をがっつり取得中の経験者の立場から答えます!
なお、制度の説明などは各自治体に資料があると思うので、本記事では省きます。
また、この記事では読む人の不安解消を目的に説明します。
育児休業でもらえるお金はこう変わる
結論から言うと、地方公務員が育児休業を取得する場合、育児休業前とほぼ変わらない生活ができます。
その理由について、
①給与がどうなるか
②育休を取ることで貰えるお金
に分けて説明します。
①給与はどうなるか
育児休業期間中は、「給与」はもらえません。
その代わり、地方公務員の場合は共済組合から「育児休業手当金」(育休手当)が支給されます。
手当がもらえる期間は、『こどもが1歳の誕生日を迎えるまで』です。
※公務員は雇用保険を払っていないので共済組合から支給されますが、一般企業の場合は雇用保険を払っているので国から支給されます。
育児休業前後のもらえるお金のイメージは、下記のとおりです。
ちなみに育休前の数値は、勤続年数10年、32歳のリアルな数値を使っています。
(そもそも給料少なくない?笑)
| 項目 | 育休前 | 育休後 (最初の180日まで) |
育休後 (181日〜) |
備 考 |
| 給料 | 261,600 | 0 | 0 | |
| 育休手当 | 0 | 175,000 | 130,800 | 給料から概算 |
| 共済短期掛金 | -12,420 | 0 | 0 | |
| 厚生年金保険料 | -25,620 | 0 | 0 | |
| 退職等年金掛金 | -2,100 | 0 | 0 | |
| 所得税 | -5,530 | 0 | 0 | |
| 住民税 | -16,000 | -16,000 | -16,000 | 次年度に軽減 |
| 互助会掛金 | -1,831 | 0 | 0 | |
| 児童手当 | 0 | 15,000 | 15,000 | 6•10•2月給付 |
| 扶養手当 | 0 | 10,000 | 10,000 | |
| 差引合計(手取り) | 198,099 | 184,000 | 139,800 |
なお、本来は標準報酬月額から算出されますが、ここでは育休前の給料を使って計算しています。
これを見ると、少なくとも半年間は育休前後でもらえるお金はほとんど変わらないことが分かります。
上記の表をもとに、ポイントを説明していきます。
育休手当の計算方法
育休手当の計算方法は下記のとおりです。
育休開始〜180日目:
(標準報酬の日額×67/100)×日数
181日目〜:
(標準報酬の日額×50/100)×日数
※標準報酬の日額=標準報酬月額×1/22
ざっくり言うと、給料の6割強(半年をすぎると半分)くらい貰える、というイメージでいいです。
手当金算出のためのエクセル計算シートが各自治体あるはずなので、
それに入力すればより正確な額がシミュレーションできます。
免除されるお金
共済短期掛金、厚生年金保険料、退職等年金掛金、互助会掛金は免除してもらえます。
毎月結構な共済掛金取られているので、育休で元取りましょう。
また、所得がなくなるので所得税がゼロになります。
住民税について大事な補足です。 育休後の住民税は便宜上「-16,000円」と書いていますが、実際は所得がなくなる関係で、徴収のされ方が変わります。 通常は毎月の給料から住民税が差し引かれる「特別徴収」にあたりますが、 育休中の住民税の支払い方法は、6•8•10•1月の計4回でまとめて支払う「普通徴収」に変更になります。 特別徴収がいい!と思うかもしれませんが、給料がないため特別徴収に変更することはできません。 ただし嬉しいポイントもあります。 住民税は育休期間中もフルスペックで支払う必要がありますが、これは、住民税の計算が前年度の所得に基づき行われるからです。 よって、住民税は育児休業を終えた次の年度に、軽減される場合があります。
②育休を取ることで貰えるお金
子どもが産まれたことにより、児童手当と扶養手当をもらえるようになります。
ただし、児童手当は6•10•2月にまとめて支払われます。
注意点として、児童手当は遡求して(遡って)もらうことができないので、子どもが産まれたらすぐに申請しましょう。
また、先ほどの表にはありませんが、この他に共済組合から
- 出産育児一時金42万円、出産費附加金(3万円程)
- 出産祝金(3万円程)
をもらうことができます。
※出産祝金の額は自治体によって若干違うようです。
以上のことから、育休前と比べると少し収入は減りますが、全く問題なくやっていけます。
育児休業期間はどのくらいが良いのか
女性の場合
女性職員の場合、育休の前に有給休暇である産前産後休暇を取得できます。
産前産後休暇は、出産日の産前8週間、産後8週間の間です。
ちなみに私たちの県で調べたところ、出産日は「産前」に含まれるみたいです。
女性職員は、産後休暇が終了する翌日から育休を取ることになります。
昔は女性でもかなり短い期間で職場復帰する例もあったようですが、今では1年〜1年半ほど、育休を取得する方が多いようです。
男性の場合
男性の場合も、女性と同様に1年間は手当をもらいつつ、育休ライフが楽しめます。
家計との相談になるとは思いますが、取れるなら1年取りましょう。
手当金の額を見ると、少なくとも半年は取らないとメリットが十分に受けられません。
ただ今夫婦で育休実践中ですが、メリットしか感じません。
男女での違いを比較してみる
私たち夫婦の場合は、下記のような流れで育休に入りました。
産前産後休業の有無によって、男女の育休申請のタイミングはずれます。
| 月 | 妻 | 夫 |
| 8月 | 妊娠発覚 | |
| 9月 | ||
| 10月 | ||
| 11月 | 職場へ妊娠を報告 | 職場へ妊娠を報告 育休取得予定伝える |
| 12月 | ||
| 1月 | ||
| 2月 | 有給消化 | 再三、育休の意思確認 |
| 3月 | 産前休業開始 | |
| 4月 | 産前休業 | 育休手続き |
| 5月 | 出産・産後休業開始 | 育休開始 |
| 6月 | 産後休業・育休手続き | |
| 7月 | 育休開始 |
職場ではこんな手続きが必要です
職場での手続きは下記のものが必要です。
- 産前産後休業掛金免除申出書:産前産後の共済組合掛金が免除になります。
- 出産費等内払金支払依頼書(直接支払制度利用者用):共済組合が病院へ出産費を支払ってくれます。
- 出産祝金請求書:互助会から祝金をもらえます。
- 育児休業掛金免除届出書:育休中に共済組合掛金が免除になります。
- 組合費免除申請書:育休中に労働組合費が免除になります。
- 育児休業実績に関する証明書:毎月の書類ですが、育休前にまとめて出してOKです。
- 子どもの健康保険証発行:すぐに病院に行くかもしれないので、最速で発行してもらいましょう。
- 子どものマイナンバー把握:職場から聞かれるので、国から通知がきたら報告しましょう。
心の底からオートマチックにして欲しいと思いますが、作るしかありません。
頑張りましょう。
仕事や職場が不安な方へ
特に男性が育休をとる場合、職場に申し訳ないと感じためらう方は多い思います。
その背中を私がそっと押します(笑)
自分が渡した業務が回っていくか不安
少し寂しいですが、20代〜30代がしている仕事は、レベル的にはいくらでも替えのきく仕事です。
多少の成果の差はあるにせよ、誰かができる仕事なので、気しないようにしましょう。
今はラインなどで連絡も取ることができるので、伝え損ねたこともすぐに伝えることができます。
人員が減るのが申し訳ない
所属の仕事の濃度にもよりますが、1人欠員になった穴ぐらいなら業務を割り振ればやっていけます。
実際私も、超繁忙期に8名中2名(しかも2人とも係長)が休業になったことがありましたが、仕事は回っていきました。
課員に感謝の気持ちを持ちつつ、割り切って育児に専念しましょう。
ちなみに私たち夫婦の場合、育休の意思を伝えた時期が春の人事異動のかなり前(前年の秋)だったので、人員はちゃんと補充されました(^ω^)
おわりに
今回は、「育休を取りたいけどどうしよう…」と悩む地方公務員が、
すっきりして育休を取れたらいいな、という気持ちで書きました。
特に男性は、「できるだけ取りたいけど何となく取りづらい」という気持ちの人が多いと思います。
長期育休を取った身から言わせていただくと、とても良い制度ですよ。
- 子どもの成長を、奥さんからの伝聞ではなく2人で見届けられる。
- お互い違う目的(育児と仕事)ではなく同じ目的(育児)で疲れるので、気持ちのすれ違いがない。
- 同じ目的(育児)を共有するので、疲れても楽しい。
これらのことを手当金を頂きながら解消できるので、本当に良いことしかありません。
この記事で少しでも育休を取る方が増えれば嬉しいです。
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